トラリピの利益値幅(利幅)っていくらにしたらいいの?
トラリピで最適な利益値幅(利幅)を教えて!!
この疑問に回答していきます(^^♪
わたしはトラリピワイドレンジ戦略で2,000万円ほど運用し、月平均20万円の不労所得を得ています。
▼鈴のトラリピ設定_ワイドレンジ戦略の運用実績
2,000万円も運用するので、当然少しでも利益が出るように利益値幅について試行錯誤をし、年に1回アップデートをしています(^^♪
今回はそんなわたしが考察したトラリピワイドレンジ戦略で最適な利益値幅(利幅)の解説です。
この記事では単純に『過去最適だった利益値幅』ではなく、『今後最適な利益値幅』とは何なのか?をまとめてあります!!
1.トラリピワイドレンジ戦略で最適な利益値幅(利幅)を公開
結論から言うと最適な利益値幅はこうなります。
通貨ペア | ATR (過去5年実績) |
最適な利益値幅 |
参考 (公式推奨値) |
USD/JPY | 0.77円 | 0.80円 | 0.30円 |
EUR/JPY | 0.95円 | 1.00円 | 0.30円 |
EUR/USD | 0.0076ドル | 0.0080ドル | 0.0030ドル |
EUR/GBP | 0.0060ポンド | 0.0070ポンド | 0.0020ポンド |
AUD/JPY | 0.81円 | 0.90円 | 0.20円 |
AUD/USD | 0.0067ドル | 0.0070ドル | 0.0030ドル |
AUD/NZD | 0.0055ドル | 0.0060ドル | 0.0020ドル |
NZD/JPY | 0.76円 | 0.80円 | 0.30円 |
NZD/USD | 0.0064ドル | 0.0070ドル | 0.0020ドル |
CAD/JPY | 0.76円 | 0.80円 | 0.20円 |
USD/CAD | 0.0088ドル | 0.0090ドル | 0.0030ドル |
GBP/JPY | 1.36円 | 1.40円 | 0.50円 |
GBP/USD | 0.0112ドル | 0.0120ドル | 0.0030ドル |
TRY/JPY | 0.26円 | 0.26円 | 0.05円 |
ZAR/JPY | 0.11円 | 0.11円 | 0.050円 |
MXN/JPY | 0.070円 | 0.070円 | 0.020円 |
※決済トレールをONにする場合はトレール値幅の分狭くする
ではなぜこの値が最適な利益値幅になるのか解説していきます(#^.^#)
2.そもそも最適な利益値幅ってどういうこと?
まず、前提として全てのトラリピ戦略に共通した最適な利益値幅というものは存在しないと考えています。
トラリピにはたくさんの可能性があり色々なことができるので、その戦略に応じて適切な利益値幅は変わってきます。
ちなみに昔は全てのトラリピに共通した最適な利益値幅があると考えていましたが、トラリピの奥深さを知るにつれ、それは無いなーと考えを改めました(^_^;)
例えばワイドレンジ戦略は相場予想ができないわたしが会社を辞めるために考えた戦略です。
そのため、相場予想は組み込めないし、生活のために毎月決済が必要です。
つまり
- 相場予想できない
- 毎月決済益が発生する
- 2,000万円までは月に1回は利益で複利運用する
- 2,000万円を超えたら毎月利益を出金する
などの前提条件を踏まえた上で最適な利益値幅ということです。
条件が変われば最適な利益値幅も変わります。
例えばオプション戦略で運用した円安シフトは円安ドル高という傾向を加味し、20円という広い利益値幅を設定することで、結果的に一撃で約8年分の利益を出しました。
利益の大きさのみを追求するのなら10円、20円と言ったトレンドが出た時にのみ決済される利益値幅を設定することも有効です。
でもこれだと複利運用できないので、一撃目は狭めの利益値幅で決済益を複利運用した時の利益に劣る可能性が高いですし、5年とか10年に1回しか決済されないので、生活費に充てることも難しいです。
- 相場予想はしないので鈴と同じ1円
- 直近の傾向に合わせて1.5円
- 今年は値動きが小さそうだから半分の0.5円
- 今年は値動きが大きそうだから倍の2円
- トレンドに乗れそうだから広く10円
未来が分からない以上、戦略と運用の目的によって選ぶべき利益値幅は変わってきます。
戦略に合わせて利益値幅を設定することが重要だと思います。
- 2015年:なんとなく
- 2016年~2017年:バックテスト
- 2018年~2019年:過去1年のATR
- 2020年~2023年:過去5年のATR
わたし自身も何度も利益値の決め方を変えているので、現在利用している利益値幅も現時点での見解と言う認識で参考にしてください。
本当に奥が深いので、また変えることもあると思います(^^ゞ
3.なぜこの値がトラリピワイドレンジ戦略で最適な利益値幅なのか?
トラリピワイドレンジ戦略における最適な利益値幅の考え方
定期的な決済が必要なワイドレンジ戦略では波の大きさと利益値幅が一致した時が最も効率的と考え、最適な利益値幅としています。
利益値幅を大きくしすぎると決済されなくなってしまうし、逆に利益値幅を狭くしすぎると今度は利益を取りこぼしていしまいます。
▼利益値幅が広すぎる場合:決済されない
▼利益値幅が狭すぎる場合:利益を取りこぼす
では波の大きさをどのように算出したらいいのかと言うと、一つの解がATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)です。
ATRとは平均的な値動きのことで、大雑把に言うと1日や1週間、1ヵ月でどれくらい上下するのかを表す数値です。
以下のチャートで言うと、赤と青の棒1本1本が、それぞれ1日、1週間、1ヵ月の値動きを表しています。
▼日足(米ドル/円)
▼週足(米ドル/円)
▼月足(米ドル/円)
為替は小さな波と大きな波が組み合わさっているので、このローソク足一本一本が小さな波と捉えることができます。
つまり、底で買って天井で売るのではなく、小さな上下(波)で買い⇔売りを繰り返していくイメージです。
また、日足レベルの小さな波(1円程度)を狙うか、月足レベルの大きな波(7.5円程度)を狙うかで、選ぶべき利益値幅は変わってきます。
ワイドレンジ戦略では、構築中の複利運用やセミリタイア後の生活費のために毎月利益が欲しいので、日足の波を狙って決済させています。
週足や月足レベルの大きな波を狙った方が1回の利益は大きくなりますが、利益がある時と無い時の差が大きくなるのと、複利運用の観点で不利になるので、日足を選んでいます。
ただし、複利運用の周期が年に1回などの場合は週足レベルの波を狙うのも有効だと思います。
利益値幅は永遠のテーマだと認識していて、安易に最適な値は決められませんが、基本的には複利運用の周期を目途に狙うべき波を変えていくのがいいと感じています。
また、決済トレールを付ける場合はトレール値幅の分狭くした値を最適な利益値幅にしています(^_^;)
なぜ過去5年の平均値としたのか
わたしは過去5年間のATRから最適な利益値幅を設定しました。
ではなぜ5年間なのかというと過去の相場の傾向から、平均的な値動きを表すのに最も適していると考えたからです。
以下は米ドル/円の変動率です。
▼米ドル/円の変動率▼
大きなブレがあることが見て取れます。
これを見た上で仮に1年前のATRから利益値幅を設定したらどうなると思いますか?
年によっては酷いことになりますよね(^^ゞ
最近の例だと2013年、2014年は20%を超えているのに、2015年8%、そして2016年は18%という年があります。
では、もっと長い期間それこそ20年、30年という期間からATRを算出したらどうでしょうか?
実はこれも微妙で、年々相場の変動は小さくなっていることが知られています。
原因としては経済の成熟化やAI投資が言われていますが、事実として年々変動が小さくなっています。
そのため、20年も30年も前の数値は現代の環境に適していません。
そこで、近年の変動を表す適当な数値として5年を設定しました。
5年あれば変動が大きい年も小さい年も内包しており、近年の平均的な変動を表していると考えました(^^♪
実は過去1年のATRで算出していました(;'∀')
当時は「相場環境は年々変化しているので、直近1年前のモノが最も現代の値動きを表しているだろう」と考えたのです。
この考えはそれほど的外れでもないと思うのですが、2019年は歴史的な低ボラティリティだったので、とんでもなく小さい数値が出ました。
で、流石にこれはあり得ないだろうと、2020年版以降はもう少し長い期間の平均を取る考えに変わったわけです。
4.バックテストでもこの値が最適な利益値幅になるのか?
この利益値幅でバックテストを回すと最大の利益になるかというと残念ながら違います。
これは実績だとその年の傾向に大きな影響を受けるからです。
例えば人気の豪ドル/円の2018年でバックテストをしてみると、2018年のATRは0.74円なのにそれより狭い値幅(0.60円)の方が利益が出ています。
▼豪ドル/円のバックテスト
期間:2018年(1年間)
取引単位:1,000通貨
トラップ幅:10銭間隔
何故バックテストでは異なる値になるのかと言うとその年の豪ドル/円が下落傾向にあったらかです。
▼直近1年の豪ドル/円
豪ドル/円のチャートをみると緩やかに下落しているのがわかります。
そのため、買いトラリピでは『下落中の小さな反発で利益を得るしかないため、狭い利益値幅の方が利益が大きくなった』と考えられます。
買いトラリピの場合は緩やかに下落しているから狭い利益値幅(0.60円)が最適で、売りトラリピの場合は緩やかに上昇していると取れるので、広い利益値幅(1.00円以上)の方が利益が出ています。
しかし、為替相場は上がったり、下がったりを繰り返すので、何年も一方的な上昇を続けたり、逆に下落を続けたりすることは考えにくいです。
そのため、どれくらい変動したか?というATRの方が、実績よりもそのとき特有の値動きに左右されずに利益値幅を算出できます。
バックテストがダメなわけではないのですが、上昇トレンドと下降トレンドを均等に含むように期間をしていするなどコツが必要です。
バックテストもATRも過去の値動きから未来の値動きを予測するための手段ですが、ATRの方が難易度も低く、ワイドレンジ戦略には適しいてると考えました。
もちろん理想を言えば、相場を予測して利益値幅を変えた方がより利益が出るでしょう。
『今年は上昇しそうだから利益値幅は広め』とか『今年は狭いレンジで動きそうだから利益値幅は狭め』のように変更できるのが一番です。
ただし、相場が読めないからこそ自動で取引できるトラリピを運用している訳なので、この戦略は取れません。
そこで100点満点はとれなくても、毎回80点程度はとれる設定がATRを元に算出した利益値幅かなと考えています。
あり・なしどっちでもOKです。
ATR、つまり平均的な値動きを元に利益値幅を設定した場合、それほど差がでません。
設定と順方向(買いなら上昇、売りなら下落)に相場が動けば『決済トレールあり』の方が利益が出るし、設定と逆方向(買いなら下落、売りなら上昇)に相場が動けば『決済トレールなし』の方が利益が出ます。
上記の豪ドル/円のバックテストを見てもそうなっていますよね?
為替はレンジを形成するので、運用期間が長くなる程、両者の差は小さくなっていくはずです。
わたしは2019年6月までは決済トレールありで運用していましたが、利益の波を小さくしたいので、現在は決済トレールなしで運用しています。
ちなみにトラリピのバックテストをしたい場合はトライオートFXのビルダー機能が便利です。
利益値幅を変えると利益がどう変わるのか試してみてください。
▼【簡易版】トラリピでバックテストをする方法
5.手間をかけてもより厳密にやりたい場合
この最適な利益値幅の考え方には一つ注意点があります。
それは直近5年の平均と乖離した値動きをした場合に上手く機能しない可能性があることです。
例えば2019年は例年の半分以下の値動きしかありませんでした。
そのため、半分以下の利益値幅にした方が大きな利益が出たと思います。
逆に2022年は例年の倍以上は激しく動いたので、倍以上の利益値幅にした方が大きな利益が出たはずです。
理想を追求するのなら、もっとその時の相場に合致した利益値幅で運用した方が効果的に利益を積み重ねられます。
ではどうするのか?
これは公式のスリーミリオン倶楽部でも教えてもらえるテクニックですが、週に1回程度その時のATRに合わせて利益値幅を変更する戦略があります。
ATRはマネースクエアのチャートに追加することができます。
① |
② |
③ |
④ |
ATRを確認出来たら、日足と4時間足の間くらいの値に設定しておくと1日1回程度は決済される利益値幅になります。
日足:0.47円 |
4時間足:0.13円 |
- 日足:0.47円
- 4時間足:0.13円
- 合計:0.60円
- 中間値:0.30円
この場合はおおよそ0.30円、1,000通貨なら300円にしておけば、1日の値動きを取れる利益値幅になります。
また、より厳密にやるならここからスプレッドを差し引くのが正解です。
ただ見て分かる通り、ローソク足14本(日足なら14日分、4時間足なら56時間分)から算出されるので、大きく変動します。
そこまで厳密にする意味はないでしょう。
わたし自身で言うと、広めな利益値幅が好きなので基本的にスプレッドは無視していますし、相場に大きな変動が無ければ1ヵ月以上変えないことも多いです(^_^;)
ちょっと手間はかかりますが、このやり方で定期的に更新していけば、直前の相場と合致した利益値幅を設定することができます。
ワイドレンジ戦略(自分年金作り)の場合は基本的に年に1回しか利益値幅を変えませんが、直近の値動きが例年と乖離していると感じた時はこのやり方を参考にしてみてください(#^.^#)
▼ちなみにPCでATRを出す場合はこちら
6.利益値幅の変更方法
利益値幅の変更方法をスクショを撮ってまとめました(^^♪
スマホでの操作
①メニュー |
②トラリピ管理表 |
③トラリピを選ぶ |
④利益値幅変更を選ぶ |
⑤利益値幅を変更 |
⑥変更完了 |
PCでの操作
①トラリピ管理表を選択
④利益値幅を変更し確認を選択
⑤利益値幅を確認し、変更実行を選択
7.【まとめ】トラリピで通貨ごとに最適な利益値幅(利幅)は?
今回はATRを元にした『トラリピで最適な利益値幅』の考え方を解説してみました(^^♪
そして、このATRを元に利益値幅を算出するやり方はマネースクエアの公式見解のひとつでもあります。
過去にマネースクエアにインタビューをした時に、その中の質問項目の中に最適な利益値幅の考え方を仕込んでおいたのです(^^♪
▼トラリピで勝つ2つの方法~マネースクエアにインタビューしてきました~
ただし、マネースクエアでも『ATRを元にした利益値幅は最適解のひとつ』という言い方をしていました。
これは、結局未来のことは分からないし、戦略によって変わってくるからです。
今後、相場が乱高下すれば利益値幅は広い方が利益が大きくなりますし、相場が穏やか&設定と逆行する方向(買いトラリピなら下落)に動いた場合は、利益値幅が小さい方が利益がでます。
実際に2023年現在、マネースクエアは利益と成功体験の両立という少し違った考えで推奨する利益値幅を出していますしね。
また、他にも相場予想をして利益値幅を設定したり、バックテストにより過去に最も利益が多かった利益値幅で運用するというもひとつの解だと思います。
▼トラリピのバックテストする方法
ただし、実績をもとに利益値幅を算出した場合は、その期間の特徴(『相場が乱高下した』や『下降傾向だった』等)を強く反映させてしまうというデメリットがあります。
ならば5年、10年と期間を長く設定してバックテストをするという考え方もありますが、期間を長くしすぎると今度は現在の環境にそぐわない値になってしまいます。
未来が分からない以上、常に最も利益が大きくなる利益値幅で運用するというのは困難です。
もちろんATRを元にした利益値幅もその期間の特徴を完全に排除できるわけではありません。
ワイドレンジ戦略は毎回100点を狙う必要はない(どうせ取れない)戦略なので、この80点が取れる利益値幅を『トラリピワイドレンジ戦略で最適な利益値幅』と考えて運用していくつもりです(^^ゞ
▼【2023年版】トラリピで最適な利益値幅(再掲)
ATRについては、簡単にしか触れませんでしたが、詳しく知りたい人は以下のサイトが分かりやすかったです。
外部リンク:小次郎講師直伝『チャートの極意』
あとATRを計算するExcelを公開しているサイトが合ったので、共有しておきます。
外部リンク:ATR(Average True Range)の計算 Excelでテクニカル計算
- ATRを元に利益値幅を算出する
- 『過去最適』だったではなく、『今後も安定して利益を得られること』が重要
最後にわたしの設定と運用実績の詳細は以下の記事をどうぞ( ^^) _旦~~
▼鈴のトラリピ設定_ワイドレンジ戦略
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本日でサラリーマン終了です(*^^*)
— 鈴@3年でセミリタイア達成 (@semiritaia_suzu) August 30, 2018
しっかりと挨拶回りをしてきます!!
ただ、最後の最後まで全く実感がわかないですね(^-^ゞ pic.twitter.com/NCotpuDwGe